5年間お世話になりました某新聞のコラムの最終回を書き終えたのでまたこちらのブログをちょこちょこ更新していきたいと思います♪
テーマは「適材適所」について
これはですねぇ、占いにおいても重要なことの一つです。
ちょっと昔の話になりますが私は若い頃にいろんなバイトを経験しておりましてその中の一つに“京友禅工房”がありました。
たった2ヶ月間お世話になっただけですがまるで昨日のことのように鮮明に覚えています。
古い町屋に少人数で着物や帯を染めていてその熟練の技の見事なこと!!
鶴やら鷺やら山水やら・・・自然界のものであれば先生に描けないものなどないというようでした。
先生は女性ですが先代のお父上にそれは厳しく育てられたそうです。そんなところへただ絵が好きなだけのどんくさい私ではやはり通用せず、案の定2ヶ月した頃先生に呼ばれ涙ぐみながらこう告げられました。
「友禅業界は今厳しい、今後もっと厳しなるからな、あんたのことはほんまに好きやけどゆっくり時間かけて育ててあげられへん・・・ごめんなぁ・・・」(そう、即戦力にはなれませんでした)そして先生はこうつけ加えられました「世の中にはもっと楽しい仕事があるやろからな、あんたにやったら見つけられると思う」・・・と。
クビにする私を気遣ってもくださったのだろう、しかしこれはご自分の現在のお仕事によっぽど自信がなければ言えないはずの言葉です。
“私はこれでずっと生きてる、これからも生きていく、あんたもがんばって見つけなさい”そう送り出されたような気がしました。先生はお話の間なぜかずっと泣いてくださいました。
そう、先生や工房の方々と私は相性が良かったのです。それなのに能力の方向性が違う、同じ絵を描くことでも違うのです。ちょっと自分の絵が描けるからと言って職人の器がなければ駄目なのです。
あれから十数年・・・確かに私も見つけました(というか気づきました)先生のように幼い頃から人知れず続けていたあることに☆
あのお世話になった町屋を出た晩、なぜだか自宅とは逆の東に歩きたくて四条大橋を西から東へ渡りながら「私もいつか大好きな京都で仕事をしよう」と心に固く誓いました。23歳の初夏でした。
まぁしかし・・・今でも趣味でヘッタクソな絵しか描けません(苦笑)今後も私のそれが神様仏様どうか先生の目にだけは触れることがありませんように・・・ひぃいい!!