
前回の日記(同日記となりましたが☆)には
染料と顔料の違いをお伝えするのに?わたくしの拙い思い出話なんかを持ち出し誠にお粗末様でございました。
さぁ時はコロナ禍、2020年、
あまりの暇と為す術の無さに、「今こそ、数年先まで修得に時間のかかる技を何か身に着けん」・・・などとご大層に考えるよりも先に、ある芸術家に強い感銘を受ける。それはまるで中世ヨーロッパ人(びと)が現代日本人の皮をかぶったような方でした。
かつて職人に憧れ、染料にフラれ、もはや微かに己に見込めそうな顔料で技を磨いて行きたかったわたくしには、それは正に天恵に感じられました。

これまた先生は大切なことを自然体でお伝えくださる方・・・
いつか、先生のご了承がいただけた時には、お言葉を纏めたものを何らかの形で皆様にお届け致したく存じます。
さて、「混合技法」とはいったい何ぞや?
これは卵などを固着材として顔料に混ぜ合わせ、繊細な筆致でコツコツと描いて行くテンペラと、オイルなどで限りなく透明に近く薄めた顔料絵具を何層にも塗り重ね、色や画面に深みと奥行きを出して行く油彩などを混合して行う技法のことです。
ヨーロッパの古典絵画に多く使われた技術です。
画像を上からご覧になっていただくと、どんどん変化していきますね。こちらは「硝子絵」と申しまして、透明の硝子に裏から混合技法で(この絵の場合は)描いたものです。

先生に習いながら絵と向き合って今日まで参りましたが、その中で、わたくしなりに感じたことがございます。
例えば染色などは、ある意味迷いが許されないような清廉さを求められると思いますが、
一方で混合技法は、迷い、立ち止まり、途方に暮れ、もがき苦しみ、壊し、突き放し、また立返り、醜く傷だらけになり、その傷跡さえも未来に上手く繋げて画中の命を美しく育て上げる・・・まさにそれはわかりやすく人間の業そのものか・・・と思い至ります。

←この状態の時などは、未だ中央に何を描こうか模索をしていた段階です。(制作中で一番苦しみました)

とにかく中央のイメージを一度白紙に戻し
この時点で決まっていることを行うしかない。(これまた人生の歩みに似ている)
今、自分なりに出来ることの、最善を尽くす…
あ、いや、違った…「わたしの及ぶ限り」でした⭐︎
(先生の好まれているお考えです)

←こちらはラテン語で
「多様性は喜ばせる」
わたくしも、伝えたいことが決まれば、気持ちもどんどん入っていく。盛り上がっていく。
もはや、共に生きているかのよう…

さぁ、ともなれば、考えろ、占い師(笑)
やはりアレだな(笑)
中央は人間だ・・・(ここで、この絵の当初の主題であった、東洋の五行占術に立ち戻る)
そこでアレコレと資料を探し、よし、この絵の雰囲気にはポンペイの壁画の少女のような、(主題が東洋なのにか?この亀もニホンイシガメなのにか?などのツッコミは無しの方向で…☆)見方によっては少年のようにも感じられるあの子をモデルにしよう・・・そうしよう・・・

・・・何でだよ☆
亡き母の若い頃にそっくりか(苦笑)
・・・いえ、まぁ、恐らく人生で最初に目にした顔がそのまま脳裏に焼き付いておったんでしょうなぁ☆人間も単純な所がございますね。
まぁ、結果的に東洋人になったし…いいか⭐︎

懐かしい面影
先生に「この絵を何枚も描くというのもまた、面白いかも知れませんね♪またその時々で違った表情になるでしょうし」と温かくおっしゃっていただいたけれど・・・

確かにです♪
(こちらも下絵段階にて)